2026年5月23日土曜日

在留許可は外国籍の人に対して例外的に解除するする「処分」

 


1978年の最高裁判所判決では、「外国人は、在留の権利を与えられているものではなく、在留を許可するかどうかは法務大臣の裁量に任されている」という法理


マクリーン事件(最大判昭和53年10月4日)は、外国人の基本的人権の保障範囲と、在留期間更新における行政裁量について判断した最高裁判例です。日本の入管法の下における、重要かつ代表的な2つの法理



在留許可は、外国人がその国に滞在するための「権利の付与」ではなく、本来は認められていない入国・滞在を主権国家が主権的判断(裁量)によって例外的に解除する「恩恵的な処分」であると解釈されています。
法理の詳細は以下の通り
1. 根拠法理:国家の主権と「許可」の性質
  • マクリーン事件最高裁判決(昭和53年10月4日)
    日本の最高裁判所は、外国人の在留について以下のような基本法理を示しています。
    • 在留の自由は保障されない:憲法上、外国人は日本に入国する権利や、引き続き日本に滞在する権利(在留権)を保障されていない。
    • 恩恵的な措置:外国人が日本に在留することは、本来、国家の主権に属する事項であり、出入国管理法(入管法)などの定める一定の条件を満たす場合に、法務大臣がその裁量によって例外的に与える「恩恵的な措置」である。 [12]
2. 「権利」ではなく「反射的利益」や「法的利益」
法的な性質として、外国人が持っているのは「適法に滞在できる権利」ではなく、適法な要件を満たした上で許可を求めて申請する「法律上の利益(反射的利益)」であるとされます。
そのため、法務大臣が基準を満たしていると判断して初めて在留資格(ビザ)が与えられます。 [12]
3. 法務大臣の広範な裁量
入管法における在留の許可(更新、変更)、そして不法滞在者に対する「在留特別許可」に至るまで、処分を下すかどうかは法務大臣の自由裁量に大きく委ねられています。
そのため、要件を形式的に満たしているからといって、当然に許可される「権利」として請求することは原則としてできません。